2012年8月30日木曜日

●● 2025年に直面する“深い孤独”

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┃◆2012.8.30┃ vol.108 2025年に直面する“深い孤独”
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みなさん

こんばんは。
お久し振り(?)です。

この1週間くらい、
文章を書きたい!と思っているものの、

「書き始めると手が止まってしまう。」

という状況が続き、もがき苦しんでいました。

文章を書いていると、定期的に好・不調の波が
あるのですが、今回は少し長引いてしまいました(-_-;)。

ただ、もうすぐ丸2年となるこのメルマガ。
辞める気は一切ありません。

ぜひ今後も、お付き合いよろしくお願いします(^^)/。

さて今回は、久しぶりに出会った良書のご紹介を
したいと思います。

今後の自分のキャリア・働き方に不安がある方には、
とても参考になる本です。

ぜひ、下記を参考にして頂けると嬉しいです。


いま思い返してみると、

私がビジネス書を読んだり、
高いセミナーにお金を払って参加したり、
仕事を一生懸命やって能力を磨きたい、

と思った原点は、
「将来に対する不安」に尽きます。

もう少し具体的な言葉にすると、

「これから社会が大きく変わったとして(5~10年後)、
 その時に十分な収入を確保できるのか?」

「もし90歳まで生きると仮定した時に、年金はほぼ
 貰えない(はず)としたら、高齢の時にどうやって
 稼ぐか?もしくはその時までに、貯めておくか?」

「日本が経済的に追い込まれたり、破綻した時に、
 韓国や中国企業に超安いお金で、超きつい仕事に
 遣われるような状況になってしまわないか?」

などなど、私の「不安」は言いだしたら
キリがありません(汗)。

上記は少し行き過ぎだとしても、
おそらく、これらの「不安」は生きている限り、
消えることはないでしょう。

むしろ、

どう付き合うか?
どう活かしていくか?

を考えていくキッカケにすべきだと思います。

そういう意味では、今回ご紹介する本は、
私たちが「不安」を感じる原因・構造を解き明かし、
未来に対して準備を行う布石となってくれるでしょう。

◎ WORK SHIFT ワーク・シフト
孤独と貧困から自由になる働き方の未来図<2025>

http://www.amazon.co.jp/dp/4833420163/


タイトルにもあるとおり、

「2025年までに、私たちの仕事(働き方)や生活、
  人間関係が、どう変わっていくのか?」

を、現在起こっている現象や、
社会の構造から読み解く本です。

私は個人的に「将来への不安が強い」ことから、
こういう本を何冊か読んでいますが、この本は
その中でも良書だと感じました。

なぜか?

将来の変化に対して、
<良い面(希望)>と<悪い面(不安)>の両面を
バランスよく表現しているからです。

興味がある方はぜひ読んで欲しいのですが、
忙しさで読めない方も多いと思うので、簡単に私なりの
解釈も含めて、概要を書かせて頂きます。

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■2025年の世界

【環境の変化】

・世界中の50億人が、携帯電話によるネット接続
  で常時つながっている状態になる。

・データのクラウド化が進み、
  いつでも・どこでも仕事が可能になる。

・長寿化が加速する。具体的には、2010年以降に
  生まれてきた子供の平均寿命は100歳を超える
  可能性が高い。

・1980年~1995年に生まれた世代の希望やニーズが、
  職場に反映される。ワークライフバランスや、
  やりがいを求める働き方に変わる。

・ネットによって、世界中の子供が教育を受けることが
  可能に。その結果、市場における人材の競争は激化し、
  安く・優秀な労働が提供される。

・中国・インドを代表した新興国の経済発展や、
  人口増により環境問題が悪化。エネルギー価格が上がる。

・エネルギー価格が上がることで、移動(飛行機・車など)
  が割高になり、旅行・出張・帰省などの機会が減る。

・仕事が主にバーチャル空間で行われるようになり、
  リアルな出会いが激減し、孤独を感じる人が増える。

・世界中で離婚・再婚が増え、養親・養子や、
  義理の親・兄弟と一緒に暮らすケースが多くなり、
  従来の家族の在り方が崩れる。

・政府、大企業は信頼を失い、同時に
 経済格差が拡大することで「不安」が増大する。


【働き方の<良い面><悪い面>】

<良い面>

1、世界中の人と協力しながら、問題解決に取り組める。

自分が抱えている課題に対して、
世界中の知識・知恵にアクセス可能で、
世界中の優秀な人材と多様な議論ができる。

また、ソーシャルな機能によって、
ユーザー自身が優良なコンテンツを作りだし、
難しい課題解決の方法が多数生みだされる。


2、仕事・社会活動・家庭・地域の活動など、
  バランスのとれた生活を実現できる。

子供との時間を大切にしたい、
社会の役に立つ仕事に関わりたい、
自分が住んでいる地域をよくしたい、

など、個人の価値観によって多様な生き方が可能になる。
しかし一方で、昔のような大量消費はできなくなる。


3、ミニ起業家が活躍するエコシステムが出来る。

政府、大企業への不信によって、
ミニ起業家同士がパートナー関係を結んで、
相互依存しつつ共存共栄していく仕組み・・・

「エコシステム(生態系)」

が市場に大きく影響するようになる。

ミニ起業家たちは自分が夢中になれる対象を
仕事にしており、それぞれの得意分野を結びつけて、
小さな組織ながら大きな仕事ができる体制ができる。


<悪い面>

1、1日24時間・週7日、仕事に追われる状態に。

グローバル化とネットへの常時接続によって、
常に仕事に追われる環境が当たり前になる。

朝起きて夜寝るまで、仕事のことが頭から離れず、
3分以上1つの活動に専念できないほど忙しくなる。


2、移動コストの高騰により、在宅勤務を余儀なくされ、
  “深い孤独”を味わう人が増える。

ネットの進化によって、仕事はほぼ
バーチャルな空間で行うことになる。

同時に仕事を求めて都市で暮らす人が増え、
リアルな場で人(同僚)と会うという機会が極端に減る。

2025年は“深い孤独”を悩みとする人が、大量に出る。


3、機械・ロボットに取って代われたり、グローバルな
  人材市場に締め出され、貧困層が拡大する。

たとえ先進国や、経済的に成長している国にいても、
経済的な繁栄から締め出される人が増える。

なぜならば、「自分の代わり」は世界中にいるし、
機械・ロボットが出来ることは増える一方だからだ。

「地理的に近い」という理由は、
仕事を頼む上ですでに重要ではなくなっている。


これらの<良い面>と<悪い面>が、
仕事というフィールドにおいて噴出することになります。

いままで私たちが仕事で感じてきた「息苦しさ」とは、
まったく違った課題を10数年後には抱えるようになるのです。

その中で、<悪い面>の影響を強く受けるか、
<良い面>を享受するかは、個人の「3つの資本」に
よって決まってきます。

今後、蓄えておくべき「3つの資本」とは・・・、

1、【知的資本】

昔は、幅広い知識と技能をもつ人材が評価されていたが、
グローバル化とネットの進化で状況は変わった。

あなたと同種の知識や技能を持っていて、
より安く・早く・上手に仕事を行える人が世界中に
何千人といる。

未来の世界では、その他大勢から自分を差別化する
ために、自分の得意分野について熟練の技を磨きあげる
必要がある。

それはある意味、「職人」を目指すのと同義だ。


2、【人間関係資本】

多くの人が“深い孤独”を体験する社会の中で、
幸福感を味わうにはどうすべきか?

いまから、人的ネットワークを、
意識的に強く・幅広くしておく必要がある。

リアルな場で会える友人こそが、何よりも
大きな資産に今後はなるのだ。

企業や仕事においても、他人と競争するのではなく、
他の人と協力してイノベーションを起こす姿勢に
転換する必要がある。


3、【情緒的資本】

仕事の自由度が増える分、自分の決断によって、
「捨てるもの」と「得られるもの」がハッキリする。

高い収入を得たいのか、
やりがいを求めるのか、
家族との時間を大切にするのか、

自分の決断に責任を持ち、他人と違う生活を
する勇気を持つ必要がある。


これら3つの資産を築きあげ、
上手く増やしていける日は、2025年に実現している
変化の中で、<良い面>を享受できる可能性が高い。

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上記の変化が、ゆっくりと、しかし確実に、
私たちの水面下で起こっています。

私はこの本の、

「お金に対する価値観の変化。」
「政府・大企業への不信感の高まり。」
「人間関係(つながり)の重要性が上がる。」

の部分を読みながら、
何度も「そうそう!」と共感してしまいました。

私が企業で仕事をしている時から感じていた、
価値観の齟齬を、的確に言語化してくれていたからです。

また同時に、

「進化したネットが作り出すバーチャルな空間と、
  経済発展による環境問題が、人々に“孤独”をもたらす。」

という主張は、とても恐れを感じました。

以前、NHKで「無縁社会」という番組が話題に
なりましたが、

◎ 無縁社会
http://www.nhk.or.jp/asupro/life/life_06.html

「人とのつながりが断ち切られ、孤独になる人が増える。」

という社会構造が、着々と出来上がってきているようです。

私たちが日々感じる不安や、希望は、
決して個人的な問題ではありません。

ほとんどの場合は、社会の構造や、
企業のマーケティングによって、引き起こされています。

だからこそ、このような本を読んで、
「先を読む」「適切な準備をする」ということは、
私には大事なように、改めて思いました。

これからは、私たちの世代の価値観が、
職場に少しずつ浸透していきます。

しかし、その変化の先で、

<悪い面(不安)>に嵌りこんでしまうのか、
<良い面(希望)>を享受するのか。

その選択肢は、個人の決断が握っているようです。

私はフリーランスで仕事を始めて、
改めて、将来に向けて何よりも大切にすべきものは、
人間関係である、と確信を得ています。

「孤独」になりやすい社会が来ても、
明るい未来と、充実した人生を創るためにも、
継続的に、いろんな方と関わっていきたいと思います。

これからもよろしくお願いします(^^)/

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