2012年8月30日木曜日

●● 2025年に直面する“深い孤独”

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┃◆2012.8.30┃ vol.108 2025年に直面する“深い孤独”
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みなさん

こんばんは。
お久し振り(?)です。

この1週間くらい、
文章を書きたい!と思っているものの、

「書き始めると手が止まってしまう。」

という状況が続き、もがき苦しんでいました。

文章を書いていると、定期的に好・不調の波が
あるのですが、今回は少し長引いてしまいました(-_-;)。

ただ、もうすぐ丸2年となるこのメルマガ。
辞める気は一切ありません。

ぜひ今後も、お付き合いよろしくお願いします(^^)/。

さて今回は、久しぶりに出会った良書のご紹介を
したいと思います。

今後の自分のキャリア・働き方に不安がある方には、
とても参考になる本です。

ぜひ、下記を参考にして頂けると嬉しいです。


いま思い返してみると、

私がビジネス書を読んだり、
高いセミナーにお金を払って参加したり、
仕事を一生懸命やって能力を磨きたい、

と思った原点は、
「将来に対する不安」に尽きます。

もう少し具体的な言葉にすると、

「これから社会が大きく変わったとして(5~10年後)、
 その時に十分な収入を確保できるのか?」

「もし90歳まで生きると仮定した時に、年金はほぼ
 貰えない(はず)としたら、高齢の時にどうやって
 稼ぐか?もしくはその時までに、貯めておくか?」

「日本が経済的に追い込まれたり、破綻した時に、
 韓国や中国企業に超安いお金で、超きつい仕事に
 遣われるような状況になってしまわないか?」

などなど、私の「不安」は言いだしたら
キリがありません(汗)。

上記は少し行き過ぎだとしても、
おそらく、これらの「不安」は生きている限り、
消えることはないでしょう。

むしろ、

どう付き合うか?
どう活かしていくか?

を考えていくキッカケにすべきだと思います。

そういう意味では、今回ご紹介する本は、
私たちが「不安」を感じる原因・構造を解き明かし、
未来に対して準備を行う布石となってくれるでしょう。

◎ WORK SHIFT ワーク・シフト
孤独と貧困から自由になる働き方の未来図<2025>

http://www.amazon.co.jp/dp/4833420163/


タイトルにもあるとおり、

「2025年までに、私たちの仕事(働き方)や生活、
  人間関係が、どう変わっていくのか?」

を、現在起こっている現象や、
社会の構造から読み解く本です。

私は個人的に「将来への不安が強い」ことから、
こういう本を何冊か読んでいますが、この本は
その中でも良書だと感じました。

なぜか?

将来の変化に対して、
<良い面(希望)>と<悪い面(不安)>の両面を
バランスよく表現しているからです。

興味がある方はぜひ読んで欲しいのですが、
忙しさで読めない方も多いと思うので、簡単に私なりの
解釈も含めて、概要を書かせて頂きます。

==================================================

■2025年の世界

【環境の変化】

・世界中の50億人が、携帯電話によるネット接続
  で常時つながっている状態になる。

・データのクラウド化が進み、
  いつでも・どこでも仕事が可能になる。

・長寿化が加速する。具体的には、2010年以降に
  生まれてきた子供の平均寿命は100歳を超える
  可能性が高い。

・1980年~1995年に生まれた世代の希望やニーズが、
  職場に反映される。ワークライフバランスや、
  やりがいを求める働き方に変わる。

・ネットによって、世界中の子供が教育を受けることが
  可能に。その結果、市場における人材の競争は激化し、
  安く・優秀な労働が提供される。

・中国・インドを代表した新興国の経済発展や、
  人口増により環境問題が悪化。エネルギー価格が上がる。

・エネルギー価格が上がることで、移動(飛行機・車など)
  が割高になり、旅行・出張・帰省などの機会が減る。

・仕事が主にバーチャル空間で行われるようになり、
  リアルな出会いが激減し、孤独を感じる人が増える。

・世界中で離婚・再婚が増え、養親・養子や、
  義理の親・兄弟と一緒に暮らすケースが多くなり、
  従来の家族の在り方が崩れる。

・政府、大企業は信頼を失い、同時に
 経済格差が拡大することで「不安」が増大する。


【働き方の<良い面><悪い面>】

<良い面>

1、世界中の人と協力しながら、問題解決に取り組める。

自分が抱えている課題に対して、
世界中の知識・知恵にアクセス可能で、
世界中の優秀な人材と多様な議論ができる。

また、ソーシャルな機能によって、
ユーザー自身が優良なコンテンツを作りだし、
難しい課題解決の方法が多数生みだされる。


2、仕事・社会活動・家庭・地域の活動など、
  バランスのとれた生活を実現できる。

子供との時間を大切にしたい、
社会の役に立つ仕事に関わりたい、
自分が住んでいる地域をよくしたい、

など、個人の価値観によって多様な生き方が可能になる。
しかし一方で、昔のような大量消費はできなくなる。


3、ミニ起業家が活躍するエコシステムが出来る。

政府、大企業への不信によって、
ミニ起業家同士がパートナー関係を結んで、
相互依存しつつ共存共栄していく仕組み・・・

「エコシステム(生態系)」

が市場に大きく影響するようになる。

ミニ起業家たちは自分が夢中になれる対象を
仕事にしており、それぞれの得意分野を結びつけて、
小さな組織ながら大きな仕事ができる体制ができる。


<悪い面>

1、1日24時間・週7日、仕事に追われる状態に。

グローバル化とネットへの常時接続によって、
常に仕事に追われる環境が当たり前になる。

朝起きて夜寝るまで、仕事のことが頭から離れず、
3分以上1つの活動に専念できないほど忙しくなる。


2、移動コストの高騰により、在宅勤務を余儀なくされ、
  “深い孤独”を味わう人が増える。

ネットの進化によって、仕事はほぼ
バーチャルな空間で行うことになる。

同時に仕事を求めて都市で暮らす人が増え、
リアルな場で人(同僚)と会うという機会が極端に減る。

2025年は“深い孤独”を悩みとする人が、大量に出る。


3、機械・ロボットに取って代われたり、グローバルな
  人材市場に締め出され、貧困層が拡大する。

たとえ先進国や、経済的に成長している国にいても、
経済的な繁栄から締め出される人が増える。

なぜならば、「自分の代わり」は世界中にいるし、
機械・ロボットが出来ることは増える一方だからだ。

「地理的に近い」という理由は、
仕事を頼む上ですでに重要ではなくなっている。


これらの<良い面>と<悪い面>が、
仕事というフィールドにおいて噴出することになります。

いままで私たちが仕事で感じてきた「息苦しさ」とは、
まったく違った課題を10数年後には抱えるようになるのです。

その中で、<悪い面>の影響を強く受けるか、
<良い面>を享受するかは、個人の「3つの資本」に
よって決まってきます。

今後、蓄えておくべき「3つの資本」とは・・・、

1、【知的資本】

昔は、幅広い知識と技能をもつ人材が評価されていたが、
グローバル化とネットの進化で状況は変わった。

あなたと同種の知識や技能を持っていて、
より安く・早く・上手に仕事を行える人が世界中に
何千人といる。

未来の世界では、その他大勢から自分を差別化する
ために、自分の得意分野について熟練の技を磨きあげる
必要がある。

それはある意味、「職人」を目指すのと同義だ。


2、【人間関係資本】

多くの人が“深い孤独”を体験する社会の中で、
幸福感を味わうにはどうすべきか?

いまから、人的ネットワークを、
意識的に強く・幅広くしておく必要がある。

リアルな場で会える友人こそが、何よりも
大きな資産に今後はなるのだ。

企業や仕事においても、他人と競争するのではなく、
他の人と協力してイノベーションを起こす姿勢に
転換する必要がある。


3、【情緒的資本】

仕事の自由度が増える分、自分の決断によって、
「捨てるもの」と「得られるもの」がハッキリする。

高い収入を得たいのか、
やりがいを求めるのか、
家族との時間を大切にするのか、

自分の決断に責任を持ち、他人と違う生活を
する勇気を持つ必要がある。


これら3つの資産を築きあげ、
上手く増やしていける日は、2025年に実現している
変化の中で、<良い面>を享受できる可能性が高い。

==================================================

上記の変化が、ゆっくりと、しかし確実に、
私たちの水面下で起こっています。

私はこの本の、

「お金に対する価値観の変化。」
「政府・大企業への不信感の高まり。」
「人間関係(つながり)の重要性が上がる。」

の部分を読みながら、
何度も「そうそう!」と共感してしまいました。

私が企業で仕事をしている時から感じていた、
価値観の齟齬を、的確に言語化してくれていたからです。

また同時に、

「進化したネットが作り出すバーチャルな空間と、
  経済発展による環境問題が、人々に“孤独”をもたらす。」

という主張は、とても恐れを感じました。

以前、NHKで「無縁社会」という番組が話題に
なりましたが、

◎ 無縁社会
http://www.nhk.or.jp/asupro/life/life_06.html

「人とのつながりが断ち切られ、孤独になる人が増える。」

という社会構造が、着々と出来上がってきているようです。

私たちが日々感じる不安や、希望は、
決して個人的な問題ではありません。

ほとんどの場合は、社会の構造や、
企業のマーケティングによって、引き起こされています。

だからこそ、このような本を読んで、
「先を読む」「適切な準備をする」ということは、
私には大事なように、改めて思いました。

これからは、私たちの世代の価値観が、
職場に少しずつ浸透していきます。

しかし、その変化の先で、

<悪い面(不安)>に嵌りこんでしまうのか、
<良い面(希望)>を享受するのか。

その選択肢は、個人の決断が握っているようです。

私はフリーランスで仕事を始めて、
改めて、将来に向けて何よりも大切にすべきものは、
人間関係である、と確信を得ています。

「孤独」になりやすい社会が来ても、
明るい未来と、充実した人生を創るためにも、
継続的に、いろんな方と関わっていきたいと思います。

これからもよろしくお願いします(^^)/

2012年8月21日火曜日

●● IKEAに学ぶ「巻き込む力」

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┃◆2012.8.20┃ vol.107 IKEAに学ぶ「巻き込む力」
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みなさん

こんばんは。

お盆休み気分が抜けず、
メルマガ配信がすっかり遅くなってしまいました(>_<)。。

みなさん、お盆休みは楽しく過ごせましたでしょうか?

私は旅行などには行かず、仕事をしたり、
普段会えない人と会ったりしていました。

フリーで働いていると、「仕事」と「休み」の境目が
曖昧になってくるのがとっても怖いです。。

スケジュールを切って、やるべき仕事を終わらせる。

当り前のことですが、これも1人でやっていると
難しいと感じることが多々あります。

改めて、仕事や組織のあり方・役割について、
考える必要がありそうです・・・。

さて今回ですが、お盆休み中にずっと行ってみたいと
思っていた「IKEA 港北店」に行ってきました。

◎ IKEA 港北店
http://www.ikea.com/jp/ja/store/kohoku/

今回は、私が「IKEA」で感じた
“人を巻き込む力”について、考えてみました。

どなたかの参考になれば嬉しいです。


イケアは、スウェーデン発祥で、
ヨーロッパ・北米・アジア・オセアニアなど、
世界に出店している世界最大の家具販売店です。

「IKEA 港北店」は、すでに出店から5年ほど経ちますが、
いまでも高い集客力を誇る人気店です。

▼「IKEA 港北店」の外観。とにかくデカイ!!

▼お店の中はすごい人!その人気はいまでも健在です。

徹底した低価格、
他とは違った展示方法、
広いお店(商品点数の多さ)、

などを売りにして、いまでも成長しているイケア。

たしかに、お店の中には普通の家具店とは違った、
「遊びに来たような雰囲気」が充満しています。

少し大袈裟かもしれませんが、テーマパークと家具店が
融合したような空気を感じるのです。

それもそのはず。

遊びに来たのか、
買いに来たのか、

どちらだかわからない子供ずれの家族が
数多く来店していました。

▼とにかく子供連れが多い。みんな家具で遊んでます。

▼もちろん、子供部屋の展示も多数あります。

▼子供を60分間預かってくれる託児所も完備しています。

広いお店の中に、1万を軽く超えるであろう商品点数、
そして子供から祖父・祖母まで一緒の人ごみ。

とにかく、お店の中は騒がしく、
退屈することがありません。

そんなお店の中で、私が最も興味を引かれたのは、
壁に描いてある“イケアのコダワリ”でした。

商品が展示してある売り場のそこら中に、
“イケアのコダワリ”を表現した文章が、
多数描かれています。

どんな商品を目指しているのか?
お客様とはどんな関係でいたいのか?
環境問題とどう向き合うか?

など、どれも読むのがとっても面白いのです。

この売りこみとも、理念とも取れる思想の文章化は、
とっても有効だと感じました。

▼イケアの「終わりなき取り組み」とは?それは、「強度は高いのに、はるかに軽い。」

▼デザイン・梱包にも妥協しない。その姿勢が伝わります。 

▼90日以内だったら、どの商品も返品可能です。

その“コダワリ”の中でも、

私が最もわかりやすく、「イケア、すげぇ。」と感じたのが、
下記のキャッチフレーズとイラストです。

「イケアにできること」

・デザイン
・大量仕入れ
・フラットパック

「お客さまにできること」

・セルフサービス
・お持ち帰り
・組み立て

『お手軽価格をいっしょに実現』


このキャッチフレーズがすごいと感じたのは、
「お客様の協力」が前提で作られているからです。

「自社の商品の製造・販売は、お客様の協力がありきで、
 それがないと成り立たないんですよ!」

というメッセージを内包しており、
来店者に強烈に参加意識を与えて、巻き込む。

そんな、お店に入った人全員を『巻き込む力』が
イケアにはあるようです。

上記の“コダワリ”からも、お店全体から感じる
メッセージとして、

お客様に楽しみながら買ってもらう。
お客様に自社の商品への思いを理解してもらう。
そして、お客様にも協力をしてもらう。

そんなイケアの店舗設計に、帰る頃には
私もすっかり魅了されてしまいました。

▼イケア独特の展示方法。部屋ごと商品を飾ってあります。

▼部屋の中にあるもの全てが商品。みんな夢中になっていました。 

▼壁に描いてあるメッセージを思わず読んでしまいます。。

▼ソファーコーナーでは、みんなゆっくりしていました(笑)。

▼1階にある倉庫のような販売エリア。その商品点数に驚かされます。

その他にも、スウェーデンの食べ物が楽しめるカフェも
併設しており、買い物で疲れた足腰を休めることができます。

私も、途中で人の多さに疲れ果ててしまい、
帰りのバスの中で爆睡していましたm(_ _)m。

▼新横浜駅、田園調布駅から無料送迎バスが出ています。

イケアは、関東では、

横浜市港北区、
千葉県船橋市、
埼玉県三郷市、

の3店舗しかありませんが、
おそらく1店舗行けば、欲しい物は全て揃うと思います。

◎ イケアストア
http://www.ikea.com/ms/ja_JP/ikny_splash.html

家具が好きな方、
引っ越しや新居をお考えの方は、
子供の遊び場所を探している方は、

ぜひ一度行ってみて下さい!


2012年8月15日水曜日

●● 伝説が、壮絶に、、終わった!

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┃◆2012.8.15┃ vol.106 伝説が、壮絶に、、終わった!
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みなさん

こんばんは。

お盆休み、いかがお過ごしでしょうか?

先週まで連載してきた「タイ~ミャンマー編」が
終わって、今回から通常に戻ります。

タイトルからすでにお分かりの方もいると思いますが、
今回は“あの映画”の紹介です。

私は、この作品は【稀代の名作】と断言します。

まさか、まだ観に行っていない人、いないですよね?

もしまだの方は、いますぐ下記を読んで、
前2作を見てから劇場へ行きましょう!


はじめに言っておきますが、
私はアメコミのヒーロー作品はあまり好きではありません。

今回ご紹介するバットマンシリーズにも、
最初はあまり興味がありませんでした。

しかし、

このシリーズの第2作「ダークナイト」を見た時に、
「これは、普通のヒーロー映画ではない・・・。」
と確信したのです。

▼すごいインパクトを残した、前作「ダークナイト」。そして、ジョーカー。

「ダークナイト」では、

悪役を務めるジョーカーの不気味さ、
途中で悪に落ちるデント(検事)の悲劇、
最後に街を救うためにバットマンが取った行動・・・、

それら全てが一本の線で繋がっていて、
その物語の構成・展開・終末に、感動を覚えました。

その「ダークナイト」の続編、しかも全3部作の完結編と
なれば、観に行かないわけにはいきません。

結論からいうと、
この作品も、期待をはるかに超える、傑作です。

◎ダークナイト ライジング

【「Yahoo!映画」でも特集されています】


「ダークナイト ライジング」は、

「バットマン ビギンズ」
「ダークナイト」

に続くシリーズ完結編で、舞台は
「ダークナイト」から8年後の設定です。

すでにバットマンの存在を必要としなくなった
ゴッサム・シティに、残虐な殺し屋:ベインが
大規模テロを仕掛けます。

次々と街を破壊するベインの姿を見て、平和を守るために、
ブルース・ウェインが再びダークナイト(バットマン)に変身して、
壮絶な戦いを繰り広げる・・・。

という、バットマン最後の戦い(伝説)を描きます。

▼再びバットスーツを着る覚悟を決める主人公:ブルース・ウェイン。

▼今回の敵:ベイン。彼の存在は、際立っていました。

▼今回も色んなメカが登場して、戦闘シーンを盛り上げてくれます。
▼今回のヒロインは、「プラダを着た悪魔」主演のアン・ハサウェイ。超!キレイです。。

最近はアクション映画を見ても、ワンパターンでうんざり・・・

そんな人は、この「ダークナイト ライジング」で
気分を一掃されるでしょう。

まず、今回の敵:ベインの発する強さ、知的さ、不気味さが
与える恐怖感、そして緊張感が、息をつく暇を与えません。

ヒーローが悪の手に落ちる、リアルなスリル感。
絶望感。その演出が素晴らしいです。

また、恐怖に怯え、自分の中の悪(保身に走る弱い心)に
負けた市民と、誇りをかけて街を救おうとする警察。

その力が集積され、ダークナイトとしての役割を
全うしようとするバットマンのラストシーンには、
久々に、心と身体が、震えました。

映像の迫力、
大音響の音楽による演出、
そして、脚本・物語の構成力。

私にとっては、
「これぞ映画館で観るべき映画!」と言わせる、
【稀代の名作】でした。

上映時間は2時間44分とかなり長いのですが、
決して長さを感じさせない内容です。

▼緊張感溢れる予告編はこちら。ぜひご覧ください!(2分17秒)


あぁ、この文章を書いていたら、もう一度観たくなってきました・・・。

ちなみに、これから観に行く方は、
前2作を復習してから観ると、楽しみが倍増します。

◎ バットマン ビギンズ


◎ ダークナイト


この映画、半信半疑で映画館まで足を運んだとしても、
決して後悔はさせません。

この夏、最高の映画を、
ぜひお盆休みに、映画館でご覧ください。

よい夏休みを!

2012年8月13日月曜日

●● 【ミャンマー探訪記】 日本語=お金

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┃◆2012.8.13┃ vol.105 【ミャンマー探訪記】 日本語=お金
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛

みなさん

こんばんは。

先月の末から続けてきた、
「【100回特別号】タイ~ミャンマー編」も、
ついに最終回となりました。

私のつたない文章で、
東南アジア・発展途上国の雰囲気が
どこまで伝えられたかはわかりませんが。。

少しでも私が感じた熱気や、
将来の可能性が伝わっていると嬉しいです。

今回は最終回として、ミャンマーで訪れた
「日本語学校」と「観光(寺院)」について書いて、
終わりたいと思います。

どうぞお楽しみください!


【 ミャンマー(ヤンゴン) ~日本語学校・観光編~ 】



JETROでのブリーフィング、工場の視察などで
少しずつミャンマーの現状を理解してきた私たちは、
最後に「日本語学校」に向かいました。

ミャンマーの人たちから見て、
「日本」という国はどのように見えているのか?

「日本語を学びたい!」というミャンマー人は、
なぜ日本語を選んだのか?

など、海外の人から「日本」がどのような見られ方を
されているのか?を知るためです。

そこで、JETROの北邑さんが、最も古くからミャンマーにある
日本語学校の校長先生にアポイントを取って頂けたため、
お邪魔してお話しを聴いてきました!

◎ウイン日本語学校
http://www.winjapan.com/

▼日本語学校は、このビル(?)の2階にあります。汚い・・・。

▼看板も小さくて、最初は見つけられませんでした。 

▼この日本語学校の経営をしている中西校長先生。

この学校は、学生~一般の人(16~30歳くらい)向けに、
ゼロから日本語を教えて、日本語検定1級を取ることを
最終ゴールにして指導をしています。

全4コースのカリキュラムがあり、
1コースの授業料は、月謝で1500円程度。

現在は、1コース当たり約60人の受講生がいて、
全コースで250人の生徒に教えているという事実から、
「日本語」の人気がわかります。

今回は上記写真の中西先生に色々とお話を伺ったのですが、
その中でも特に印象的だった内容は・・・、

「ミャンマー現地で、日本語の人気はいかがですか?」

「2番目に人気です。
  英語がNo.1で、その次に人気なのが日本語ですね。」

「すごい人気ですね。
  なぜ日本語はそんなに人気があるんでしょうか?」

と聴いたところ、即座に、

「お金ですね。」

という回答が。。

「日本が好きだから」
「いつか行ってみたいから」

という夢のある答えを期待していた私は、少し驚きました。

「彼らは日本語を身につけると、
  タクシーやフリーの観光ガイドになります。
  
  会社に勤めるよりも、その方がお金になるからです。

  会社に勤めたとしても、日本と関わる仕事につければ、
  他の仕事よりは稼ぐことができる。

  それを求めて、この学校に来るのです。

  みんな、貧乏からなんとかして脱出しようとしている
  段階なので、余裕がないんですよ。」

という非常に現実的な答えが返ってきました。

ただ一方で、

「ミャンマーの人たちは、本当に優しくて穏やか。
  日本人の気質とよく合うと思います。

  街も治安がよくて、乱暴な事件・犯罪は起きないし、
  外国人、特に日本人の観光客にはみんな
  とても優しく接します。

  インフラが整っていない現実はありますが、
  日本人が活躍する土壌はありますよ。」

と語って頂きました。

▼他にも、みんなで色んな質問をぶつけました。

▼こちらが教室。1回の授業で60人が受講するらしいです。
▼壁には小学校の頃に見た「あいうえお」の50音が貼ってあります。

もう1つ、聴いた話の中で印象的だったのが、
男性と女性の違いの話でした。

中西校長先生は、
「最後までしっかりと日本語を習得するのは、女性だけです。」
と断言されていたのです。

「ミャンマーでも、アジア全体でも同じ傾向がありますが、
  基本的に男性は働きません。

  その代りに、女性がすごく真面目で働きものです。

  この学校でも、最後まで続くのは女性です。
  上級者コースは女性ばっかりで、男性は続きませんね。」

というお話も聴くことができました。

「なでしこジャパン」など、最近では日本も女性の
活躍が目立っていますが、本格的に女性が主導権を
くる時代が来るかもしれない。

そんな予感を感じてきました。

それにしても、何百人の人が日本語を一生懸命
学んでいるということはすごい。

今後、日本とミャンマーの交流が進むことで、
少しでもミャンマーの発展に貢献したい。

日本語学校を出る頃には、
そんな思いが胸の中に湧き上がっていました。

私がミャンマーの現地の人たちを視察させて
頂いた内容は、以上となります。

最後に、ヤンゴンの観光スポットのご紹介をします(^^)/。

ヤンゴンといえば、
海外旅行客が必ず訪れるのは、街の中心部にある、
丘の上に建つ寺院「シュエダゴン・パゴダ」です。

▼「シュエダゴン・パゴダ」の中心にあるストゥーパ(聖なる黄金の塔)。

この「シュエダゴン・パゴダ」は、建立が約2500年以上前と
いわれ、ミャンマーでは最も名高いパゴダ(仏塔)として
同国のシンボル的存在になっています。

私が実際に入ってみると・・・、
パゴダ(寺院)内に、とても“特別な空気”が流れて
いることに気がつきました。

街中ともまた違う、
争い事や競争、ましてや犯罪など決して起きない
神聖な(不思議な)雰囲気に満ちているのです。

参詣の人々は、子供から大人まで、みんな真剣にお祈りを
しています。この寺院では、時計回りに仏塔を回っていき、
一周すると願いが叶うと信じられているのです。

▼大人も、子供も、真剣にお祈りをしています。私はなんだか場違いでした。

写真でどこまで伝わるかわかりませんが、
少しでも「シュエダゴン・パゴダ」の神聖な雰囲気を
感じ取ってもらえると嬉しいです。

▼正門はでっかい2匹の犬がお出迎え。

▼ちなみにこのパゴダ内を歩くときは、みんな靴を脱いで裸足になります。

▼中心にある塔以外にも、黄金の建物が並んでいます。

▼人も多すぎず、ゆっくりと歩くことができます。

▼ストゥーパ(中心の塔)を取り囲む仏塔も金です。

▼「廟(びょう)=神々をまつる祠」も、金ピカです。

▼ところどころ、大きな仏陀(ブッタ)の像がありました。

そして、最後の一枚は、、、
私がとても印象的だった、この一枚です。

▼小さな女の子が、一生懸命、真剣に祈っていました。

日本は無宗教の国なので、お祈りをしたり、
何かの教えを守る、という習慣がありません。

しかし、宗教を真剣に信じて、
その教えを守ることで幸せになれる、
と信じている人は、強いのかもしれません。

自分の信じる教えがあって、
判断基準が明確で、
感謝をする対象を持っている。

「幸せ」の形がハッキリしている彼らは、
経済発展という流れに、どう向き合うのでしょうか?

日本とも、
アメリカとも、
ヨーロッパとも、

また違った国の形が、
ここから生まれてくるのかもしれません。


以上で、私が7月に見てきた
「タイ~ミャンマー探訪記」は終了となります。

最初にも書きましたが、今回のタイ~ミャンマーでは、
先進国の日本にいる私たちだからこそ、彼らから学べる
ことは、沢山あると感じました。

そして、今後の経済や政治は、彼らとどう協力をして、
アジアを良い方向に導けるかにかかっているでしょう。

もし、今回の文章を読んで、
東南アジアにすこしでも興味をもった方がいれば、
個人的にはとてもうれしく思います(^^)/。

それでは、また次回からは通常の内容に戻して、
配信したいと思います。

みなさま、今後もどうぞよろしくお願いします!

2012年8月11日土曜日

●● 【ミャンマー探訪記】 月給:8000円 vs 20万円

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┃◆2012.8.8┃ vol.104 【ミャンマー探訪記】 月給:8000円 vs 20万円
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みなさん

こんばんは。

前回から「ミャンマー編」をスタートしました。

ミャンマーという国が、

・日本の戦前のような街並みであること。
・電気・水・金融などのインフラが整っていないこと。
・超・親日国であること。
・人柄・性格が日本人と合うこと。

などをご紹介しました。

今回は、私がこの視察旅行の中で、
最も価値観を揺さぶられた「工場視察」について、
書きたいと思います。

ミャンマーの人たちはどんな仕事・働き方をして、
どれくらい稼いでいるのか?

その実態に迫りたいと思います。
どうぞお楽しみください!


【 ミャンマー(ヤンゴン) ~工場視察編~ 】




『自分が提供している労働の対価(=収入)は、
 いくらぐらいが適切なんだろうか?』

私がミャンマーの工場視察を終えて感じた疑問は、
いまでも頭の中でモヤモヤしています。

日本で新卒として会社で働き始めると、
平均的にもらえる初任給が「20万2000円」。
(2011年・厚生労働省調べ)

これが高いと考えるか、安いと考えるか・・・、

どちらと取るかは比較対象によるでしょう。

先進国と比較すれば普通だし、
発展途上国と比較すれば高い。

でも結局のところ、国ごとに物価が違うので、
日本国内でいえば自分の給料は妥当なのではないか?

いままでの私は、
それぐらいの意識で自分の給料を捉えていました。

しかし、
今回、ミャンマーで働く人たちの姿を見て・・・、

その意識がどれだけ誤っていたか、思い知らされました。

▼工場視察で見た働いている女の子。

上記写真の女の子の年齢は20歳前後。

仕事内容は、エアコンもない工場内で、
1日中、服にアイロンをあて続けること。

労働条件は、

・週6日
・1日9時間半(7:30~17:30)労働
・収入はわずか月給8000円程度
・約1時間半ほど離れた農村から毎日バスで通勤

という、過酷な内容です。

時間だけで考えても、間違いなく日本人の
1.5倍くらいは働いているでしょう。

そして、肝心の収入は・・・

【月給8000円】です。

1時間にすると、わずか【時給35円】です。

では、時給35円で働く彼女たちの生産性は、
低いのか?

決して、そんなことはありません。

私が見ている範囲では、みんな真面目に、
慣れた手つきで黙々と仕事をしていました。

いまの私に比べたら、2~3倍は、
軽く働いていると思います(汗)。

そんな女の子が、1つの工場に約1000近くいるのです。

▼1000人以上の女の子が、郊外の農村から出てきて働いています。

▼とにかくみんな真面目。一生懸命働いていました。

この光景を見た瞬間、私は思いました。

「いまの自分の給料は、明らかに高すぎる・・・」、と。

そして同時に、確信しました。

「今後、日本の給料水準は下がり続ける」、と。

なぜならば、

上記の仕事は日本であれば、
明らかに月給20万円以上は稼げる仕事です。

同じ仕事であるにも関わらず、場所を変えただけで、
【20万円→8000円=96%のコスト削減】となるのです。

この人件費低下の流れ、すなわち、
「誰にでもできる仕事は、コストが安い国で行う。」
という海外への仕事の流出は、止められません。

こんなミャンマーの僻地にまで来ているのですから、
いずれ中東に行き、アフリカにまで達するでしょう。

その間、コストは下がり続け、私たちの収入も
それに引っ張られる・・・。

その流れの一端を、
ミャンマーでは目の当たりにすることができました。

今回、その現場を見せて頂いたのは、
ミャンマーに現地法人がある2社の日系企業です。

1つずつご紹介すると・・・、

まず「FAMOSO CLOTHING」という、
日本の百貨店などで販売する紳士服(スーツ)を、
ミャンマーの縫製工場で作っている会社にお邪魔しました。

日本法人は、名古屋に本社がある下記の会社です。

◎ 大栄既製服 株式会社

こちらの工場で副社長を務めている山崎和人さんに
ミャンマーでの労働事情を聴きながら、工場内を
ご案内頂きました。

▼こちらが山崎さん。パワフルで、ユニークで、ミャンマーが大好きな方でした。

▼ミャンマーの労働の実態をヒアリング。予想以上に厳しいものでした。

▼工場の中で、設備の概要や投資金額の説明を受けます。

▼こちらが実際の働く姿。冷房もない中で9時間以上働きます。

2番目に伺ったのは、

「TI Garment」という、同じくミャンマーに縫製工場を作り、
日本のイオン・洋服の青山などで販売するYシャツを
作っている会社です。

日本法人は、こちらも名古屋にある下記の会社です。

◎ トミヤアパレル株式会社

こちらの現地法人で社長を務める、山本俊郎様に
お話しを伺ってきました!

▼「ミャンマーへの進出はおすすめしない。」とハッキリ言っていた山本社長。

▼材料はすべて輸入。すごい量です。

▼働いている人にジロジロ見られながら、工場の中を進んでいきます。

▼ここで作っている製品は最終的にはYシャツになります。

▼アイロンを掛けると汗びっしょりになるため、重労働です。

▼これらのYシャツは、日本のイオンなどで売られているそうです。

どちらの会社でも、

・インフラ(電気)が整っていない。
・人件費の高騰やストライキなどの労働問題。
・身分証明(未成年労働)の問題。

など、ミャンマー現地でビジネスをする上での
大変さを教えて頂きました。

「日本の市場は衰退一方。海外に出なければならない!」

とは言うものの、やはり国外で仕事をしている人たちは、

インフラ、
思想(宗教)、
教育、
食べ物、
通信環境、
天候、
駐在員、
言葉、

など、多くの問題に直面していることを感じました。

ただ同時に、私たちのような若い人材にチャンスが
訪れていることも、事実です。

具体的には、

1、現地で人脈・信用を作れれば、いくらでも仕事がある。

いま、製造業を中心に、新しい市場を求めている
国内企業が沢山あります。

その需要をつかむためにも、海外に人脈・信用を
作れれば、いくらでも仕事になるでしょう。

2、「仕事を単純作業に変換する能力」の価値が上がる。

「人件費が安い国に仕事が流れる。」
この流れは、今後10年以上は続くでしょう。

その中で求められるのは、
「海外の人でもできるように、普段の仕事を
  誰にでもできる単純作業に変換すること」です。

業務のシンプル化・標準化が行える人は、
今後価値を増していくでしょう。

3、自分の専門分野を極めれば、世界に繋がる。

今後、日本の文化・商品・サービスは、
アジアで唯一の先進国として、どんどんアジア、
そして世界に輸出されることでしょう。

その中で、自分のいまの仕事からしっかりと
専門分野を極めておく。ブランドを作ってしまう。

それによって、他の人よりもダントツの
知識・経験・人脈・成果を残しておけば、
おのずと世界の道が開けると感じました。


以上の能力・経験は重宝されると感じました。

日々の仕事において、高い目線と広い視野さえ
持てれば、誰でもグローバルに活躍できる人材に
なれる可能性が、日本には十分ある。

それが、今回の視察で私が感じたことです。

東南アジアではどこに行っても、
「日本」は憧れの国です。

資源のない日本が、世界の先進国に
肩を並べていられるのは、まさに「奇跡」とも
いえる偉業なのです。

この歴史・積み上げを誇りに思って、
いい影響力を世界に持っていきたい。

そんな純粋な思いを胸に秘めて、工場を後にしました。

▼今回、工場視察に一緒に行ったみなさま。本当にありがとうございました!

以上で、【 ミャンマー(ヤンゴン) ~工場視察編~ 】は終了です。

次回は、ミャンマー編の締めくくりとして、
【日本語学校・観光編】をお届けしたいと思います。

いよいよ、「【100回特別号】タイ~ミャンマー編」も
最後を迎えようとしています。

どうぞお楽しみに!