2011年9月4日日曜日

●● 【ユーロ経済編】壮大な実験は失敗へ・・・。

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┃◆2011.9.4┃ vol.42 ●● 壮大な実験は失敗へ・・・。
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〔1〕 壮大な実験は失敗へ・・・。

〔2〕 きんきょー報告「 最近のメルマガ作成事情 」

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〔1〕 壮大な実験は失敗へ・・・。
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みなさん

こんばんは。

先週からユーロ経済の話を始め、まずはその発端となった
ギリシャの経済危機について書かせて頂きました。

今回は、その原因となった【統一通貨の欠陥】を見ながら、
ユーロ経済全体について書きたいと思います。

どなたかの参考になれば、幸いです。


みなさん、先月のアメリカの「デフォルト騒ぎ」は覚えて
いらっしゃるでしょうか?

8月の初めに「デフォルト騒ぎ」があって後、
市場は荒れに荒れて急激な円高や世界同時株安などが
起こり、日本も多大な影響を受けました。

しかし、実は8月中旬に起こっていた株安や円高に
最も影響を及ぼしていたのは、アメリカ(ドル)の問題ではありません。

ユーロの問題です。

ユーロの経済危機が深刻さを極め、限界寸前だったのです。

いまや、今後起こる(と思われる)世界恐慌の発端は、
ユーロから起こる、というシナリオが最も現実的なのです。

特に、先週も紹介した「借金で太ったブタ:PIIGS(ピッグス)」。

※PIIGS(ピッグス)
⇒ポルトガル(P)、アイルランド(I)、イタリア(I)、
   ギリシャ(G)、スペイン(S)

8月は、これらの国の「連鎖破綻」が現実になる可能性が高く
なったために、世界の経済が落ち込んでいたのです。

なぜ、これらの『PIIGS(ピッグス)』が経済的に深刻な
状況に追い込まれてしまったのか?

その原因こそが【統一通貨(ユーロ)の欠陥】です。
かなり要約していますが、2つに分けて説明させて頂きます。

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◎ 統一通貨(ユーロ)の欠陥

(1)景気対策ができない。

これが「統一通貨(ユーロ)の最大の欠点」です。

自国の景気が良い時・悪い時に打ち手が打てない。
それが景気が悪くなって表面化してしまったのです。

自国の景気が上向きの時はまだいいのです。
しかし、2009年のリーマンショック以降、欧州でも
急激な景気後退が起こりました。

その時、ユーロ圏に所属している国々は本来であれば
政府として自国の景気対策をする必要があります。

具体的には、金利を下げることによって企業・個人への
お金まわりを良くしたり、輸出を増やすための為替対策を
行うわけです。

しかし・・・、

統一通貨という仕組みを持っているユーロ圏では、
その景気対策がまったく機能しません。

なぜならば、経済的に強い国(ドイツやフランス)と
発展途上の国(ギリシャやアイルランド)の国が一緒になって
いるため、統一の政策など出せるはずがないのです。

(日本と中国の経済政策を一緒に行うようなもの。)

その結果、景気減退による消費の落ち込みに対応する策は
なく、銀行には不良債権の山ができました。

そして輸出においても他国の通貨が安くなるのに対して、
ユーロという統一通貨は割高となり、海外からの資金も
どんどん先細ってしまったのです。

「金融は統一政策」にも関わらず「政策は個別国家」
という大いなる矛盾が明るみになったユーロ。

「統一通貨」という壮大な実験は、失敗に終わりそうです。


(2)お互いの財政状況が密接になりすぎて、
    デフォルト(債務不履行)ができない。

はっきり言って、ギリシャもアイルランドも、
どれだけ借金を返したくても、もう無理なんです。

何十年かかろうと、何世紀かかろうと、無理なんです。

なぜならば、【借金】があればそれに比例した
【利息(金利)】があるわけです。

(例)例えば日本で考えてみると・・・

いま日本は【借金:1000兆円】があります。
金利が10%だとしたら【利息:100兆円】となります。

しかし、日本の収入は1年で【38兆円】です。
こうなると、全ての支出を抑えて借金を返しても・・・、

1000兆円+100兆円-38兆円 = 【来年の借金:1062兆円】

借金は一生増えていくことになります。(これが借金地獄です。。)


上記のような状態にすでに2つの国はなっているわけで、
実質は「破綻」しているわけです。

しかし、その「破綻」の2文字をユーロ圏の他国が許しては
くれません。なぜならば、共倒れになるからです。

両国の国債は、同じユーロ圏の国々が大量に持っており、
「破綻=デフォルト」を宣言した瞬間にドイツやフランス、
イギリスまでも『国家の連鎖破綻』を起こす可能性があります。

例えると、危篤状態になった人を、周りの家族や親戚が
「お前が死んだら俺も死んじまうんだよ!」と言って、
人口呼吸器をつけ、点滴を突っ込み、無理やり延命しているのです。

しかし・・・、
どれだけ努力をしても借金が増えるだけ、
だけど、自己破産もさせてもらえない。

そんな状態が続くことを、国民が許すでしょうか??

未来が悪くなることが分かっているにも関わらず、
他国の事情で我慢し続ける・・・。

そんなことを、許すはずがありません。
いつ暴動から内乱に発展してもおかしくないような状態の国が、
ユーロ圏内では次々に生まれているのです。

しかもそれが、いままでは強国だと思われていた
イタリア、スペインがそうなりつつあるのです・・・。

そう、すでにユーロは崩壊しているも同然なのです。

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以上の【2つの欠陥】によって、ユーロはいま、沈みつつあります。

いまは、緊急措置をとって、
(※中央銀行がドンドンお金を刷って、すでに無価値となりつつ
    あるPIIGSの国債を買っています・・・。)

なんとか凌いでいますが、根本的なユーロという通貨体制に
変更がない限り、崩壊は時間の問題です。

その時は、リーマンショックの何十倍もの金融危機、
経済収縮が起こり、日本でもそれこそ預金封鎖や大量失業が
起こる可能性が、高いと思われます。

日本のメディアは、本当に危険なこと、痛みを伴うが
知らなくてはいけないこと、は報道しない傾向があるので、
自分で情報に敏感になる必要があります。

今後も新聞には小さな記事で、よくわからない言葉を使って
ユーロ圏の経済が報道されると思います。

アメリカや日本の情報が多い中、見落としがちですが、
いまの新聞・ニュースで最も注意すべきは「ユーロ圏」の情報です。

特に、イタリア・スペインの状態をよく見る必要があります。

ぜひ明日から、新聞を読む時は「ユーロ崩壊の兆候」を
見逃さないように、チェックしてみて下さい。

それにしても・・・、

地球の裏側にある国の経済にまで気を遣わなくては
いけないこの体制、早く変えてしまいたいですね。。


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〔2〕 きんきょー報告「 最近のメルマガ作成事情 」
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あーーーーーーー。
しんどーーーーい!!!

これが、最近の私のメルマガ作成への率直な心情ですm(_ _)m

経済ネタを初めて今回で5回目になりますが、
最近は気軽にこのネタに踏み込んだなぁ・・・と感じてます(汗)。。

だってさ、、、

「経済を簡単に伝えよう!」と息巻いてみたものの、
やっぱり用語は難しいし、1つの出来事を理解するために、
沢山の知識が必要だし。。

しかも、
「知った方がいい話」であって、決して「楽しい話」じゃないし!!

いやいや、後悔はしていないですよ。。

世界の経済情が破裂寸前なのは間違いないし、
首相が変わった程度で何かが変えられる段階でもない。

だから、「もう危機は起こること前提で動こう!」
と思って始めたこの経済ネタ。

ただ、ちょっと甘く見ておりました。
大変度合いをちょっと見誤っていました。

いままで私は「自分の考えを文章にし、発信をする」という
ことを行ってきたのですが、このネタに関しては、できる限り
事実に基づいて書かなければいけません。

そうすると、いつも書いている
【情報収集⇒要点整理⇒アウトプット】のプロセスが
まったく違うんです。

しかも経済の情報は山ほどあって、もう何がなんだか・・・。
毎週、日曜日は常にメルマガが気になって休むに休めません(涙)。

しかし、経済がわかると、
毎日の新聞・ニュースから掴める情報が違うことも事実。

きっとどこかで役に立つはず・・・、
と信じて書き続けたいと思います。

だけどちょっと息抜きしたくなってきたので、来週以降、
少し休憩コンテンツを挟む可能性もあります(笑)。

今回の「きんきょー報告」はグチでした。。

みなさん、来週からも読んでくださいねm(_ _)m


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今回は以上です。

最後に・・・、、

最近の携帯アプリは恐ろしいですね。
こんなアプリが出来てしまっては、ストーカーが大喜びですよ。

◎ “彼氏を追跡できる”と話題の「カレログ」がお詫び
http://www.rbbtoday.com/article/2011/09/02/80566.html

◎ カレログ公式HP
http://karelog.jp/

このアプリ、GPSを始めとして、電話の受発信記録や、
電池の残量、ダウンロードしたアプリの内容までわかるという
のだから、もう凶器です。。

個人的には、いまのネット社会には節度が必要だと思います・・・。

それでは、今回も最後まで見て頂いて、
本当にありがとうございました。

来週も、どうぞお楽しみに。


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