2011年8月28日日曜日

●● 【ユーロ経済編】終わりの始まり:ギリシャ危機

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┃◆2011.8.28┃ vol.41 ●● 終わりの始まり:ギリシャ危機
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〔1〕 終わりの始まり:ギリシャ危機

〔2〕 きんきょー報告「 日本激励本:下町ロケット 」

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〔1〕 終わりの始まり:ギリシャ危機
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みなさん

こんばんは。
先週から、本格的に経済の話を進めています。

平たく言ってしまうと、先進国も新興国もいまの世界は
リスクだらけ、ということになってしまうのですが。。(汗)

いまの経済を難しくしている点は、
すべての問題が根底でつながっていて、1つの危機が
噴出すると、世界全体に影響がでてしまうことです。

(リーマンショックのように・・・)

そういう意味では、いま最も危険で、いつ何が起こっても
おかしくないのが【ユーロ経済】における問題です。

今週はその中でも、「ユーロ経済危機の口火を切った」とさえ
言われている「ギリシャ危機」についてお伝えしようと思います。

経済への理解に、少しでも参考になれば幸いです。


みなさん、一昨年の「ギリシャ危機」を覚えていますか?

「ギリシャ危機」とは・・・

2009年10月、ギリシャでの政権交代によって
旧政権が行ってきた財政赤字の隠蔽が明らかになりました。

その財政赤字は、すでにギリシャ一国では返すことが
できないほどの莫大な額になっていたのです・・・。

その対処として出された財政再建策に国民が反発して、
死者が出るほどのデモが行われました。

また世界の株価、ユーロ通貨も軒並み下落。
ユーロ経済全体で取り組む世界の経済問題へと発展しました。


このニュース、いまでもテレビでギリシャの人達がデモをして
暴れている姿を覚えている方も多いのではないでしょうか?

この「ギリシャ危機」以来、ユーロ経済はどんどん悪化して、
アイルランド、スペインにまで及ぶ「国家連鎖破綻」のシナリオを
世界中で危惧するようになったのです。

なぜ、いままで資本主義における先進国だったヨーロッパが、
このような事態になってしまったのでしょうか?

ハッキリ言って、何でこんなことになったのか、
当時の私にはサッパリわかりませんでした。

しかし、この危機は「ユーロ経済」から世界全体に大きな影響を
及ぼし、私の生活まで悪化させる可能性がありそうです。

しかも、現在の日本の状況を考えた時に、
財政状況が悪化し、借金が返せない!と宣言した時に、
国の治安や政策は、どのような状態になるのか・・・。

ある意味、一つの前例になりうると思いました。

そこで、「ギリシャが莫大な借金を抱えてしまった原因は何か??」
を調べてみたところ・・・、下記の3つの理由がありました。


< ギリシャが莫大な借金を抱えてしまった3つの原因 >

(1) 【政治の腐敗】政府が「国民の人気取り政策」をし続けた。

1つ目の理由は、
政治家が自分たちの利権に走り、選挙に受かるために、
財政全体を無視して、国民が喜ぶ政策をどんどん実行したからです。

(他人事とは思えない・・・。。)

具体的には、

◎ 年金バラまき政策。

危機が起こる前のギリシャの年金は非常に手厚かったのです。
その額、なんと「61歳から現役時代の収入の“8割”」という
意味不明な数字でした・・・。

◎ 公務員政策(人数が多く給料がいい)

ギリシャは『公務員国家』でした。公務員の割合は、
全労働人口に対して25%。4人に1人は公務員だったのです。
しかもその給料は、民間企業の1.5倍を受け取っていたのです。

上記の2つが、「国民の人気取り政策」として、
借金を増やすことになった原因です。

確かに、もらっている国民としては非常に嬉しいでしょうが、
一時的にいい思いをしたが故に、今後数十年は、我慢の生活が
続くことになったわけです。

※上記を日本の子供手当、医療福祉費に置き換えて
  「国民の人気取り政策」と考えると、将来が怖くなります・・・。


(2) 【借金の隠蔽】すべてはユーロ加盟国になるために・・・。

ギリシャは長年、借金をごまかしていました。

多くの借金があるにも関わらず、「政府の一部の人間」しか
その真実を知らずに、誤った認識の元で国を運営してきたのです。

こんなことをしたら、借金が増えるのは当たり前です。

なぜならば、「政府」という機能は本質的には
「集めたお金(税金)をどのように使うか?」という
『お金の使い道』を決める組織です。

にも関わらず、そこにいる人達が、自分たちの
「収入」と「支出」を間違えて把握していたら、正しい運営が
できるはずがありません。

そんなことをしている内に、借金は莫大な額になり、
返せないところまで膨らんでしまった、というのが2009年に
判明したことです。

それにしてもなぜ、ギリシャ政府は借金を隠したのでしょうか?

その理由は、明らか。
無理をしてでも「ユーロに参加したかったから」なのです。

ギリシャは「ユーロ」という統一通貨に参加することで、
下記のようなメリットを享受できると考えていました。

◎ 観光客を増やすことができる!
  (ユーロ圏はパスポート不要なため)

ギリシャの主要産業は、観光業です。

ユーロ圏になれば、通貨が統一されるため両替や為替の問題が
なくなることと、パスポートが不要になることで多くの観光客が
来てくれる!(結果、税収が増える)と踏んだわけです。

◎ 物価が下がり、豊かな生活が手に入る!
  (ユーロ圏内であれば関税がかからず物が安く手に入る。)

ユーロ加盟国になってしまえば、同じ加盟国からの輸入品には
関税がかからず、貿易にかかるコストを大幅に下げられます。

それによって、物価が下がり、より豊かな生活が可能となります。

またギリシャという、ある意味小国が独自で発行する通貨よりも、
ユーロ全体で発行する通貨の方が、信頼性が高いに決まっています。
それによって海外からお金を集めることができるのです。

◎ 自国の人口が増える!
  (ユーロ圏内は国民がどこに住もうと自由)

自国の人口が増えれば増えるほど、税収も労働力も増え、
国力は増していきます。

そのためにも、ユーロに加盟できれば「国民に優しい」ギリシャは
他国からの人口流入が期待でき、自国の人口を増やすことができる!
と思ったのです。

上記のメリットを得るために、本来は基準に満たしていないも
関わらず、嘘をついてまで、ユーロ加盟国になり、その皺寄せが
いまになってきているわけです。

※これらを見ると、要するに
  「企業が上場したいがために、粉飾決算をする。」
  という行動と、まったく同じことがわかります・・・。


(3) 【統一通貨の欠陥】地に落ちた「ユーロ」

「国境がない」という理想の世界と、通貨を統一するメリット
ばかりが叫ばれて発足した「ユーロ」。

もちろん加盟国になったメリットを享受した国も、
(ドイツを始めとして)多かったことでしょう。

しかし、物事には必ず表裏があり、デメリットが存在します。

しかも、今回の景気後退・国家破綻の危機における「ユーロ」という
統一通貨のデメリットは致命的でした。

「ユーロ」という統一通貨にしたために・・・、

・景気対策ができない。
・デフォルト(債務不履行)ができない。
・自国の財政危機が周りの国に波及。
・デリバティブ取引による莫大な被害。

という状態になってしまいました。

上記の4つは、ユーロ経済全体に適用できることなので、
来週また詳しく書かせて頂きます。

しかし、財政破綻とそこからの脱却の道が見えない現状・・・、
このような状態は、決してギリシャだけではありません。

ギリシャ(G)を始めとしたユーロ加盟国である、
ポルトガル(P)、アイルランド(I)、イタリア(I)、スペイン(S)
などが、多少の事情は違えど同じような問題を抱えています。

挙句の果てに、「借金で太ったブタのようだ」ということで、
それぞれの国の頭文字をとって『PIIGS(ピッグス)』という
名称をつけられる始末。。

「ユーロ」は完全に、地に落ちました。


以上、【政治の腐敗】【借金の隠蔽】【統一通貨の欠陥】に
よって、ギリシャは財政破綻、そして国家破綻の道を余儀なく
されてしまいました。

ある意味、【ユーロ経済】というシステムに入らなければ、
莫大な借金を背負いこむことも、対策を打ちたくても打てない
状態になることもありませんでした。

いまの状態であれば、デフォルト宣言をした方がよっぽど楽に
なるにも関わらず、周りの国がそれを許してはくれません。

しかし、いまは「ユーロ」の金融機関が一時しのぎとして
ギリシャを延命しているだけ。

時間の問題だけで、いずれ『PIIGS(ピッグス)』のどこからか、
ユーロ危機が始まると思っておいた方がよさそうです。

(それも、ギリシャ危機より数十、数百倍の破壊力を持って。。)

来週は、この「ギリシャ危機」を踏まえて、
【ユーロという通貨のデメリット】に迫りたいと思います。

お楽しみに!


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〔2〕 きんきょー報告「 日本激励本:下町ロケット 」
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本というのは不思議なもので、、、

1冊読むのに1週間かかる本もあれば、
読み始めると止まらなくなって、一気に読んでしまった・・・
という本もあります。

私がいままでに読んだ中で止まらなくなった本といえば、

・竜馬がゆく
・坂の上の雲
・項羽と劉邦
・宮本武蔵 (原作・吉川英治)

などがありますが、これらの本に共通することは、
どんな時代にも変わらない普遍性・人生観を伝えている
ことだと思います。

今回は、久しぶりにそんな本に出合えたため、
(上記の本には劣りますが)ご紹介したいと思います。

この本は、今年の直木賞受賞作でもあり、最近は
電車の中でも広告を見かけるため、タイトルを知って
いる方が多いと思います。

◎ 下町ロケット
http://www.amazon.co.jp/dp/4093862923






















簡単に、物語のあらすじは・・・、

モノ作りに情熱をかける中小企業・佃製作所が、
大企業の思惑に翻弄され、倒産の危機にあいながらも
自分達の夢であるロケットエンジンの供給に挑む──。

夢と現実。社員と家族。

多くの苦悩に悩まされながらも、自社の仕事・技術に
プライドを持って、夢を探求し続ける男の姿を描く、
ビジネスエンターテイメント小説です。


この小説の中で描かれる主人公(佃製作所の社長)の、
自社技術への思いや、夢を追う姿は、小説でありながら
いまの日本を応援しているかのようでした。

現実(お金や人間関係)との板ばさみになりながらも、
自分の人生を切り開こうとしていく姿に自己投影をし、
夢中になってしまう人は多いのではないでしょうか?

特に、私が心に残った台詞をご紹介すると、

「自分の都合のいいときだけすり寄ってくるような
  商売はよしてくれ。いいときも悪いときも、信じ合って
  いくのが本当の商売なんじゃないのか」

「カネの問題じゃない」佃は断言した。
「これはエンジン・メーカーとしての、夢とプライドの問題だ」

「穴を開ける、削る、研磨する―
  技術がいくら進歩しても、それがモノ作りの基本だと思う」

その他にも沢山、心の琴線に触れる言葉がありました。

非常にテンポよく書かれているので、本の厚さの割には
あっという間に読めると思います。

どちらかというと、男性の方が好きな内容かもしれませんが、
今の時代にピッタリなので、女性でも読んで損はありません。

機会があれば、ぜひご一読ください!


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■ブログはこちら
http://anweekly.blogspot.com/
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今回は以上です。

最後に・・・、、
決まりました。決まりましたよ。来年の秋です。
みなさん、来年の秋までは何があっても、生き抜きましょう。

http://www.evangelion.co.jp/q.html

いまから楽しみで仕方ありません。
今度そちらの方のブログも再始動しようかと。

いずれこちらでも、案内しようと思います。

それでは、今回も最後まで見て頂いて、
本当にありがとうございました。

来週も、どうぞお楽しみに。


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