┃◆2012.6.6┃ vol.86 芸術の変遷:大エルミタージュ美術館展
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みなさん
こんばんは。
以前から、私の心の中にずっと持ち続けている
研究テーマ(?)の1つに、
「人は、何に魅了されるのか?」
というテーマがあります。
現在であれば「お金」、
一昔前までは「国(天皇)」を崇め、
少し歴史を遡ると「武士道」や「人としての強さ」、
に魅了されていた時代もありました。
そんな中、1000年以上前から普遍的に人を魅了して
離さないのが「芸術」です。
一見、人の生活には必要が無さそうに見えますが、
1枚の絵を観るために、何千・何万・何十万という人が
お金を払うことを考えると・・・、
やはり、そこには人の本能に根ざす魅力が、
「芸術」にはあるのだと思います。
私は、もともと色や形のセンスがない人間なので(汗)、、
自分で創ることは苦手ですが、
子供の頃から両親が美術館が大好きという趣味が
あったため、不思議と接点がありました。
小さい頃は「絵なんて何が面白いんだ・・・。」
としか、思えませんでした。
しかし、年齢と数を重ねていくと・・・、
「本物の絵には、エネルギーやオーラがある。」
と感じるようになるから、不思議です。
今回も、そんな人を魅了して止まないエネルギーを
感じるために、下記の美術館展に行ってきました。
◎ 大エルミタージュ美術館展
~世紀の顔・西欧絵画の400年~
http://www.ntv.co.jp/hermitage2012/
開催場所:国立新美術館
http://www.nact.jp/
展覧会の概要をご説明すると・・・、
エルミタージュ美術館とは、
ロシアのサンクトペテルブルクある、所蔵作品が
300万点を超えるという世界有数の美術館です。
本展覧会では同館の所蔵品の中から、16世紀から
20世紀初頭における西欧美術の「顔」である名作を、
その世紀を象徴するキーワードを軸に紹介します。
展覧作品は全部で83作家の作品・全89点。
まさに400年にわたる西欧絵画の歴史をたどる
豪華ラインナップです。
今回私は、思いつきで下調べもせずに行ったのですが、
予想を上回る内容で、とても楽しむことができました。
楽しむことができた最大の理由は、この美術館展では、
「芸術の変遷」を感じ取ることができたからです。
16~20世紀に評価を受けた絵がどんなものなのか?
を見れば、その時代に人が何に魅了されていた対象が、
ハッキリとわかるのです。
その変遷を簡単に書くと、下記の通りです。
16世紀:戦ばかりの時代は「神話の世界」。
17世紀:戦が終盤になると「普通の生活ができる社会」。
18世紀:世の中が平和になると「(物で)豊かな社会」。
19世紀:少し経つと「あるがままの自然」。
最終的には・・・
20世紀:「人の創造性(ピカソなど)」に向かうのです。
この変遷が、すごくわかりやすく感じられる美術展でした。
▼16世紀の絵:祝福するキリスト
▼17世紀の絵:虹のある風景
▼18世紀の絵:外から見た鍛冶屋の光景
その時代性を表す絵から、
レンブラント、マティス、ピカソなど有名な画家の作品まで、幅広く展示されています。
▼今回の最注目作品:マティスの「赤い部屋」
作品は約90展ほどありますが、だいたい1時間ほどあれば
全て見て回ることができます。
時代性を感じながら、芸術を楽しむことができる、
勉強になる展覧会だと思います。
私は「国立新美術館」の空間・環境がとても好きなので、
内容でも、居心地でも楽しむことができました。
天気のいいお休みの日に行くと、とても気持ちがいいですよ。
機会がある方は、ぜひ行ってみてください。
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